こんにちは。
ナナシロです。
たまにTwitterなどのSNSで見かけるのですが、
と声を荒げているクリエイターの人たち、いますよね?
一見すると正論に見えます。
が、実際にフリーランスのクリエイターをやっている僕の実感として、どれだけ周りのクリエイターが安く買い叩かれていても、価格破壊が起こって僕の仕事がなくなったり、僕が安く買い叩かれているという事実はありません。
逆に「価格破壊だー!」と騒いでいる人ほど、安く買い叩かれていたり、仕事内容や仕事相手に不満を漏らしていたりします。
はっきりと言います。
イラストでもデザインでも何でも、みんなが安く請けると価格破壊が起こって自分の仕事がなくなると思っている人は、絶対にクリエイターとして大成しません。
そう言い切れる理由について、書いていこうと思います。
クリエイティブの価値って価格だけ?
と本気で言っている人に僕が問いたいことは、
ということ。
僕はイラストレーターでもありますが、イラストはもっとも価格破壊が起こっている(と言われる)ジャンルの一つです。
ココナラなどでは、カラーイラストをワンカット1,000円、カラー似顔絵を500円……と凄まじく安価で請けているクリエイターがごろごろいます。
それどころか、Twitter上では「絵師」という肩書きで、無料で高いクオリティーのイラストを描いている人もいます。
そういう状況なので、
といった怒りのツイートが、イラストレーターの間で何万リツイートもされていることがよくあります。
ですが僕は、そんな世の中でも普通に仕事がとれています。
それもモノクロでワンカット3,000円〜ですとか、カラー似顔絵で10,000円〜ですとか。
この料金設定で、まったく営業かけていなくても、依頼が来ます。
安さやクオリティーだけが価値ではない
では、僕がものすごい高い絵の技術を持っているかというと、決してそうではありません。
確かに過去にイラストレーターとして書籍の出版もしていますが、出版社は僕の絵のクオリティーを高く評価していたわけではありませんでした。
その代わり僕は、
- 相手の要望に合わせて的確に修正がおこなえる「対応力」
- 得意なタッチはないが、様々なタッチを真似できる「柔軟性」
- 納期まで毎日きちんと進捗報告する「連絡のまめさ」
といった価値があります。
そう。
「価格破壊やー!」と叫んでいる人はみな、安さやクオリティーだけが価値だと思い込んでいます。
しかし実際には、さっき僕が挙げたような「対応力」や「柔軟性」「連絡のまめさ」、それに、「オリジナリティー」や「コミュニケーション能力」「アイデア力」……といった、たくさんの要素によってその人のクリエイターとしての価値が決まっているのです。
「価格破壊やー!」と叫ぶ人たちは、自分の商品の値段を上げられないと決めつけています。
それは自分のクリエイターとしての価値を総合的に上げるということを、完全にすっ飛ばしていることに他なりません。
だから、クリエイターが安く買い叩かれる社会のヘイトばかりしているクリエイターは、まったく大成しないのです。
安さだけで決める発注者もヤバい
ここまで、価格破壊に対してピリピリしているクリエイターが大成しないことを書いてきましたが、それと同じくらいまずいのが、安さだけを見てクリエイターを決める発注者です。
僕もこれまでこの手の発注者にたくさん出会ってきました。
確かに会社がまだ小さかったり、資金があまりなかったり、様々な事情があるのでしょう。
しかし、これまで出会ってきたこの手の発注者で、継続して良い関係を築けた発注者はいません。
安さだけでクリエイターを選ぶと、何の効果もない薄っぺらい置物みたいなクリエイティブしか出来上がりません。
イラストにせよチラシデザインにせよWebサイト制作にせよ、クリエイティブはもっともお客様に見られる部分なので、そこがぺらっぺらになるということは、その程度の企業だと思われるということです。
そんな発注者が、今後成長していくとは到底思えませんよね。
なので僕は、これまで出会ってきたこの手の発注者について、軒並み僕の方からやんわりと関係を絶っています。
ただこの手の発注者が完全にダメかというとそんなことはなく、初仕事の新米クリエイターや学生クリエイターであれば、良い練習台にはなるので、場合によってはそういう発注者と一回くらい関係を持っても良いかとは思います。
ですが、一回請けて納品したら次は単価を上げて、向こうが渋ってきたらこちらから断るようにしましょう。
そうやってどんどん良い発注者と出会っていくようにするのが得策です。
クリエイターとしての価値を見つけて伸ばしていこう
となってしまっているクリエイターのみなさん。
ちょっと待ってください。
自分の価値にきちんと気付いていますか?
自分の伸びしろに気付いていますか?
安売りして自分の価値を上げようとするのはやめましょう。
一見して仕事が舞い込んでいるように見えますが、安売りするということは、自分がほぼ無価値であることを白日のもとに晒しているようなものですから。
だから、自分の価値をきちんと見つけましょう。
あるいは、価値の種をきちんと育てましょう。
ちなみに僕の場合。
どのクリエイティブにおいても、「ディレクション力」と「企画提案力」に強みを持っています。
もちろんクリエイターとして技術向上などにも力を入れていることは当然のことですが、それだけでなくいくつか価値の軸を持っていることで、それなりに単価を高くしても仕事を得ることができるのです。
もし今日この記事を読むまで、安く仕事を請けるクリエイターに愚痴を言ったり、安価な案件ばかり出回る社会を嘆いたりしていた方は、今一度クリエイターとしての自分と向き合い、自分の強みを見つけて伸ばしていきましょう。